粘土を原料とした焼きもので、デザインの違いなどから伝統的な美しさを持った日本瓦(和瓦)、平板瓦(洋瓦)などに分けられます。洋瓦は平板でないものもあり、S字型をしたスペイン瓦などもあります。高温多湿の日本の風土に向いており、厚みがあるため雨音を遮り断熱性も高いというメリットがあります。一方、他の屋根材に比べて重量があるため、住居の重心が高くなり、地震が起きると家が揺れやすくなる傾向があります。
近年主流となってきた屋根材で、通称「スレート」といわれています。スレートとは本来「粘板岩」の意味で、古くに建てられた家では、この天然スレートが屋根に使われていることもありました。これに対し、セメントを高温高圧下で板状に成型したものを合成スレート、もしくは人造スレートといいます。通常は着色して、化粧スレートとして商品化されています。瓦に比べると遮音性・断熱性は劣りますが、屋根材としては安価で加工しやすいというメリットもあります。「コロニアル」という名前の商品がもっとも有名で、化粧スレートの代名詞ともなっています。「コロニアル」は、「カラーベスト」シリーズのなかの商品であるため、「カラーベスト」ともいわれています。
金属系屋根材では、「トタン屋根」という言い方からも分かるように、以前はいわゆるトタン(亜鉛メッキ鋼板)が広く使われてきました。しかし錆びやすいという欠点があったため、いまではガルバリウム鋼板(アルミニウム亜鉛合金メッキ鋼板)が主流となっています。薄くて軽いため、既存の屋根に重ねる「カバー工法」が可能です。また、錆びにくく耐久性が高いというメリットがありますが、一方で遮音性・断熱性に弱点があります。この弱点を補いデザイン性を高めたのが石付ガルバリウム鋼板(通称「石付ガルバ」)です。ガルバリウム鋼板の表面に天然石を張り付けてあるため、見た目が美しく雨音も静かです。ただし、当然お値段も高めとなります。
フェルトなどにアスファルトを染み込ませ、表面に砂粒を塗布した屋根材です。柔らかく曲面にも使えることから、日本では意匠を凝らした公共施設などによく利用されています。アメリカでは古くから住宅でも普及していますが、日本では防火性が弱いことから使用が長らく認められてきませんでした。いまでは法律が改正され、一般住宅でも使えるようになっています。重さが日本瓦の1/5と超軽量なため、設計の自由度が増すというメリットがあります。